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よみものびぼうろく

世界の本当の姿を見極める方法とは。『FACTFULNESS(ファクトフルネス)~10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』

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FACTFULNESS(ファクトフルネス)

この世で「世界」に興味がない人っているでしょうか。

たまにはいるかもしれないけど、どっかの大国でサブプライムローンが焦げ付いたおかげで景気が悪化して給料が上がらなかったり、半島の独裁国家がミサイルを撃って手元のスマホがビービー鳴ったりすることを考えると、ほとんどの人は興味があるはず。

 

でも、その本当の姿は世界中を瞬間移動でもしない限り見極めることはできないし、瞬間移動できたとしても、表面だけ見て判断できることはほんのごく一部。

ゆえに、世界に関する情報のインプットは、第三者、主にメディアを通した情報に頼らざるを得ないのだが、これによってよってもたらされた世界のイメージはこんな感じ。

 

「世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている。金持ちはより一層金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏になり、貧困は増え続ける一方だ。何もしなければ天然資源ももうすぐ尽きてしまう」

 

 

正直、私もこの本を読むまではこれに近いイメージだった。

 

いやいや、実はそんなことは無い。すでに人類の91%は中所得か高所得層に属し、徐々に満足いく暮らしができるようになっている。故ハンス・ロスリング氏は、統計的なアプローチを用いてそれらを証明している。

メディアを悪者に仕立てず、人はなぜ世界を悲観的にとらえてしまうのか、データで見る世界はどんな世界かを、まだこれから世界を生きる私たちを勇気づけるように語ってくれている(ような気がする)。

話題性先行のセンセーショナルな情報で心を冷やすよりも、データドリブン(データに基づいて判断・アクションする事)で事実を知ることにより、人々が穏やかに過ごせるようにという温かい思いのこもった本。

 

読み終えてすぐに、私はこれを今年13歳になる娘と、11歳になる息子に読んでほしいと思った。アンタたちの生きる世界はそんなに悪くないよ、こう見えてオトナたちは少しずつだけど世界を良くしてきたんだよ、アンタたちのためにと。

本当は彼のように、”お得意の”バブルチャートとキレのあるトークで語れればいいんだけど、できないなら自分で読んで。

 

 

今年一番、誰かにお勧めしたい本です。

データサイエンスを生業とする者として、心からの敬意を込めて。 

 

 

あわせて読みたい。

note.mu

読めば読むほど眩暈がする『HARD THINGS』~答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか~/ベン ホロウィッツ (著)

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HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか Kindle版 ベン ホロウィッツ (著), 滑川 海彦 (翻訳), 高橋 信夫 (翻訳), 小澤 隆生(序文)

ホロウィッツ氏:私は常々、経営書に書いてある内容が、スタートアップのCEOにとって本当のHard Thing(大変なこと)ではないと感じていた。スタートアップのCEOが直面する本当に大変なこととは、「経営チームを組織すること」や「お金を使いすぎないこと」「レイオフをすること」などだが、こういった内容を教えてくれる経営書は存在しなかった。

 そういった本が無いのなら自分で執筆しようと考えたのが「HARD THINGS」だ。テクノロジースタートアップの起業家に向けて書いた書籍がベストセラーになるなんて、本当に驚いている。

「The Hard Thing」のホロウィッツかく語る:日経ビジネスオンライン

日経ビジネスオンラインで本人が語っている通り、ほとんどの経営書に書いてある内容は「アナタはこうすべき」といった指南、あるいは武勇伝であって、それがどんなに厳しいものか、死ぬほど苦しいものか、というのは書かれていない。本書はそのあたりがふんだんに、しかもリアルに書かれており、読めば読むほど眩暈がする。

 

まさに、巻末で滑川氏が書かれている通りの内容。

「マーク・ザッカーバーグの成功を描いて大きな反響を呼んだ『フェイスブック 若き天才の野望』がいわばファンタスティックなシンデレラ・ストーリーだとするなら、ベン・ホロウィッツの本書は魔女、人食い鬼、火を吐く龍などに、繰り返し絶体絶命の窮地に追い詰められながら仲間を率いて暗い森から脱出に成功するリーダーの冒険物語だ」

 

リーダーとして勇者が苦難の末に魔王を倒す物語として読むファンタジーなら楽しめるのだが、リアルな話として、私はこの場合、駆け出しの勇者見習いなので、完全に自分事としてとらえると、読めば読むほど眩暈しかしない(笑)

明日、ゴブリンに刺されるかもしれない。

 

当社は、いや、スタートアップの代表である私には、今後様々な困難が降りかかるわけだが、そんなときに机の下に隠れて、ハリケーンが過ぎるのを待っているような経営者は消えていくだろうし、ホロウィッツ氏のよう困難に立ち向かい、ひとつひとつ解決していけば、いずれ栄光を掴むことができるはずだ。 

 

ところで売却後、彼はVCを立ち上げた。

新興にもかかわらず、アンドリーセン・ホロウィッツは全米6位。

そして、本人も24位。

The 100 Top Venture Capitalists

  

業界に新風を吹き込んだ。 

詳しくは広瀬さんのブログでどうぞ。

ちなみにこの「ところできみたちはいつになったらホンモノのCEOを迎え入れる気かね?」の話は、本書にもバイネームで記載されていて、禍根の根深さを垣間見ることができる(怖

markethack.net

 

日経にも「投資先の創業者をもり立て最高経営責任者(CEO)として成長する手助けの仕組みにもこだわる」VCとして書かれている。

www.nikkei.com

 

私も莫大な資金を得たら、研究開発レベルのプレシードの投資がしたいと常々思っているので、いまの会社が万難を排して成功した暁にはいずれ氏のように起業家を支えたい、などと発言するのはまだまだ早すぎるけど、それでも技術者の起業家を支えられるのは、やっぱり技術者だけだと思っている。 

 

大晦日なので大口を叩いてみた。

皆様よいお年をm(__)m

生きていくうえで、絶対に基礎はおさえておいたほうがいい「金融」を効率的に学ぶ。>『大学4年間の金融学が10時間でざっと学べる』植田 和男 (著)

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大学4年間の金融学が10時間でざっと学べる Kindle版 植田 和男 (著)

 

自分が持っている「お金」について深く考えたことはあるだろうか。

なぜこの紙の1000円札は、1000円分の価値があるのか、と。

 

この本には、そういった貨幣の機能や、信用創造という基礎的なところから、銀行の役割、リスク変換、投機とヘッジ、デフレや為替レート、仮想通貨、そして、新技術と金融の未来などについてまとまって書かれており、金融というものを10時間くらいでざっくりと知ることができる。

このシリーズ、効率的に知識が摂取できてオススメ。

 

特にスタートアップの経営陣が身に着けるべきはここ、黒字主体から赤字主体への資金の融通の仕方について。

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二つの資産融通方法とそのリスク

スタートアップ界隈で俗にいう「資金調達」はエクイティ、つまり出資のことをいう人が多いのだが、もちろんデット(貸付、こっちからすると借入)も資金調達だ。

 

昔から疑問に感じているのだが「資金調達しました!」「おめでとう!」の文脈が自分には全く理解できない。

資金調達は、企業と金融機関との間において、その企業のスケーラビリティとリスクを織り込んだうえで、流動資産と株式の等価交換で成り立つわけで、お祝いするような話ではなく、相互にフラットな売買契約のはず。

 

 

いずれ大問題になるような偽りの情報で、うまいことせしめたならまだしも・・

 

これに関して、折よく広瀬のオジキと、ZOZO田端さんのツイートがあったので、エンベッドしておく。 

 

株式投資をしたことがある人なら、企業に投資=出資するということが、どういうことか身をもって分かっているはずで、おめでとうもなにも、とにかく一刻も早く約束通りの価値向上を満たせ、と思うだけだ。

 

企業とお金の関係って、そういうスーパードライなものだと私は思う。

 

以上、ハノイから愛をこめて。