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IT × 農業 (=AgTech)の相性の良さとは。『島耕作の農業論 (光文社新書) 』弘兼 憲史 (著)

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島耕作の農業論 (光文社新書) 弘兼 憲史 (著)

私は島耕作シリーズが好きだ。

あの、行く先々でモテモテな感じが我々ビジネスマンのモチベーションを高める。実際はそんなことあり得ないんだけど、あのストーリーのひとつひとつは、確実にエロ・リーマン(エロいサラリーマン)のご都合主義な妄想を加速させる。

いま読み返すと昭和イズムに首をかしげるところもあるけども、ここで語られるビジネスの楽しさ、痛快さは今も昔も変わらないのではないかと思う。

 

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嫌な仕事で偉くなるよりは、好きな仕事で犬のように働きたい

彼の放つ言葉のなかで一番好きなのは「いやな仕事で偉くなるより、好きな仕事で犬のように働きたいさ」という一見ブラックなセリフ。

私は二十代前半でこのセリフが出てくる「課長編」を読んでからというもの、サラリーマン人生で理不尽なことがあるたびにこの言葉が思い浮かべた。

その後十年間、最も好きな仕事で、ひたすらパブロフの犬みたいに働き続けられる条件を追い求めていたら、最終的に行き着いた答えは「起業」だった。

そして、それを実践できる環境を自ら整え、いまに至る。

 

 

さて、話はそれたが、今回読んだ本は島耕作(弘兼先生)が語る農業論。ざっくりとした内容は、日本の農業が抱える課題の数々と、それに対する提案が他国の事例を元に提起されている。キーワードとしては「食料安全保障」「食料自給率」「イノベーション」「水」「オランダ」「人口一〇〇億人」「近畿大学」「農産物食料品輸出額ランキング」といったところ。どれも大変興味深いお話。

なかでも農業ワーキンググループの金丸先生の言葉は「これだ」と思った。

金丸恭文 - Wikipedia

「私たち理系の人間にとって、農業は一番面白いんです。私たちの会社は企業の経営システムの開発をやっています。企業経営というのは四則演算の世界。それほど複雑ではない。一方、農業というのは、非定型、そして流動的。農業生産を予測する計算式は高等数学なんです。温度、湿度、風、日照時間をビッグデータに溜めておいて、農作物の変化に対してリアルタイムに対応する。ハイテク屋からしたら非常に面白い対象です」

弘兼憲史.島耕作の農業論(光文社新書)(Kindleの位置No.656-660)..Kindle版.

 この「非定型」「流動的」というところ。

定型の三次元データというのは、これまでのIT技術でいくらでもこねくり回せるものだったが、機会学習、とくにディープラーニング(世間でAIと呼ばれる技術)は、非定型の四次元データの利活用を可能にした。

なかでも「特徴を掴む」というのは、これまでのドットオーダーの画像解析(イメージプロセッシング)ではできなかったことだ。

例えば当社の行動認識技術は、単眼カメラで得た映像データの特徴を、X/Y/Z軸+時系列で特徴抽出し、各個人が「何をしている状態に特徴が最も近いか」を推測・あるいは予測するもので、2019年はかなりの産業で応用される見通しである。

詳細はこちら →日本経済新聞・朝刊(12/5)に掲載されたアジラの行動認識技術は、なにができるのか? - アジラプレス

 

こういった技術によって特徴量を抽出し、うまく活用することで大きなビジネスチャンスになると考えている。

企業の強みである、マネジメント、マーケティング、テクノロジー、そしてスケールするノウハウをかけ合わせれば、なおさら大きなチャンスとなりうる。 

企業は本来、マネジメント力、マーケティング力、そして技術力を持っている。その分野が不得意なのが、個人経営の農家だろう。これを利用すれば、日本を救う産業となり得る。 

そう、日本を農業で立国する。 

かつて、メイド・イン・ジャパンの工業製品が世界を席巻したように、メイド・イン・ジャパンの野菜、あるいは日本の技術を世界に移転したメイド・バイ・ジャパンの野菜をどんどん送り出す時代にしなければならない。

弘兼憲史.島耕作の農業論(光文社新書)(Kindleの位置No.479-483)..Kindle版.

私はこの考えに賛成であり、可能性の非常に大きなビジネスだと確信している。(ただし、日本発で進めるのは政治的な障壁が大きそうなので、状況が変わらない限りは別の方法を考えている)。

ぜひ興味のある方は連絡してほしい。

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 参考)